日本の高齢者社会は、要介護者数の増加という課題を抱えている。厚生労働省の最新報告によれば、現在の要介護(要支援)認定者数は692.6万人に上り、第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合は約19.0%である1。
この増加傾向は、今後も高齢化が進むことから、さらに加速することが予想される。厚生労働省の2020年度のデータによれば、要介護(要支援)認定者数は前年度に比べ約2.0%増の約682万人であり、これは公的介護保険制度がスタートした2000年度の認定者数約256万人と比べると約2.66倍増加している2。
一方、我が国の介護保険制度の持続可能性の確保という観点からも、この問題は重要な課題となっている。内閣府の資料によると、高齢化の進展により、2025年には約7,200円、2040年には約9,200円の保険料上昇が見込まれている3。
以上のことから、日本の介護問題は社会全体の取り組みを必要とする深刻な課題であり、その解決策を模索することが、我が国が持続可能な社会を実現するための重要なステップであると言えるだろう。