長野県塩尻市の介護施設で働いていた元職員の望月大輔被告(40)はすでに同僚に向精神薬入りの飲料を飲ませた傷害罪で公判中だが、11日に入所者殺害の疑いで再逮捕された。
望月被告は昨年5月、勤務先だったケアハウスえんれいで、前田裕子さん(当時77歳)に薬物を飲ませ、その結果、前田さんは薬物中毒で死亡していた。望月被告は前田さんの通帳を不正に入手し、ATMで現金7万円を引き出したという罪でもすでに起訴されている。
ケアハウスえんれいほホームページによると、同施設は社会福祉法人塩嶺福祉協会が運営する施設だ。「個人の自立した生活とプライバシーが尊重され、利用者が安心して生き生きと明るく生活できるようにすることを目指している」とホームページに記載されている。しかし、この事件により、施設の安全と信頼が大きく揺らいでいる。
望月被告は、生活相談員として入所者の金銭管理にも関与していたという。しかし、彼が薬物を使って入所者を殺害した背景や動機、そして施設の管理体制に問題がなかったのか、これらの疑問が深まるばかりだ。
望月被告は昨年、施設の同僚に向精神薬が入ったコーヒーなどを飲ませ、急性薬物中毒に陥らせたとして、傷害罪で逮捕・起訴されており、その公判が進行中である。今回の再逮捕により、裁判の行方や、望月被告のこれまでの行動が、再び注目を浴びることとなる。
介護施設でのこのような事件は、入所者とその家族、そして施設を信頼して預けていた地域社会に衝撃を与えている。介護の現場で働く職員の心理的負担と、それに対するサポート体制の強化が求められる一方で、施設の安全管理体制の見直しも急務となっている。