022年度の介護保険制度にかかる介護費用(介護給付費と自己負担)が11兆1912億円に上り、前年度比1.5%増となる過去最高を更新したことが、厚生労働省の発表で明らかになった。これは、高齢化が進行する中での介護サービス利用の増加が主な要因とされている。

同調査結果によれば、介護サービス利用者は前年度に比べ14万2700人増の652万4400人となり、これも過去最多を記録。特に介護度の軽い要支援1、2の人が受ける介護予防サービスの利用者は、4万400人増の約118万4700人。一方、要介護1~5の度合いが高い人が受ける介護サービスの利用者は、12万3000人増の約559万1600人となっている。

受給者1人あたりの費用も増加の一途をたどっており、17万5500円と、前年比2700円増加している。具体的には、介護予防サービスが100円増の2万7900円、介護サービスが3500円増の20万3100円となっている。

都道府県別のデータを見ても、佐賀県では介護予防サービスの受給者1人当たり費用が3万7300円と最も高く、介護サービスでは鳥取県が22万3700円でトップを記録している。

この増加傾向は、日本の高齢化が進行する中で、特に居宅サービスの利用が増えていることに起因していると分析されている。これに対し、厚生労働省は今後も継続的に各種データの収集と分析を行い、制度の適正運用と今後の改善につなげていく方針を示している。

今回のデータは、高齢者が安心して生活を送るためには、更なる制度の改良と効率的なリソースの配分、そして各世代が協力して持続可能な社会保障制度を築いていく必要があることを示唆している。