兵庫県姫路市 – 老人ホーム入居の際に巧妙な手口で高齢者を騙し、金銭を詐取する事件が発生しています。9月29日、姫路市に住む86歳の女性が、これに遭った一例として警察に報告されました。本件は、それまでの「老人ホーム入居権利」詐欺とは異なり、更に悪質化している事例として捉えられています。

被害にあった86歳の女性は、8月20日から9月13日にかけて、何者かによって「老人ホームに入居する権利がある」と毎日のように電話で告げられました。入居を断った際には、「断り方が悪い。罰金200万円を支払ってください」と脅され、同月21日、指定された東京都内の住所に現金200万円を送付しました。

これらの一連の行為が、家族によって金額の引き出しが発覚し、女性もこれが詐欺であると気付いたと言います。警察では、詐欺師が今まで以上に巧妙で手厚い手法を使い、高齢者を的確に狙っていると分析しています。

厚生労働省も高齢者の身元保証に関する実態把握や課題の整理を急ぐよう、改めて全国に警鐘を鳴らしています。また、消費者庁も高齢者サポートサービスの利用に関する留意事項を公表し、特に住宅の売却や資産の管理に関連する契約には慎重であるよう呼びかけています。

市民の皆さまには、未知の番号からの電話に注意し、知らない人や組織からの甘言に乗らないよう強く呼びかけるものです。また、怪しいと感じた場合には、すぐに家族や警察に相談しましょう。一人で悩まず、身の回りの人々と情報を共有することが、詐欺から身を守る最も確実な方法です。