内閣府が6月20日に公開した「高齢社会白書」によれば、高齢者の間でデジタルコミュニケーションの利用が増加していると報告されています。また、白書は若年時からの健康への意識と社会活動への参加が、高齢者の健康と生きがいに大きな影響を及ぼすことを示しています。

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)の影響を受けて、高齢者の間で非対面のコミュニケーションが増えており、これにより情報機器の利用が進んでいます。内閣府が令和2年度に実施した「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、携帯電話やスマートフォンを使って家族や友人と連絡を取る高齢者の割合が75.7%に上りました。さらに、インターネットを利用して情報を集めたり、ショッピングをする高齢者の割合も28.3%となっています。

白書では、健康状態が良いことが社会活動への参加につながる可能性があること、また社会活動に参加することが更なる健康と体力向上につながる好循環を生み出す可能性があると指摘しています。特に、若年時から健康に対する意識を持つことが、高齢者の健康に大きく寄与するとの結果が示されました。

この結果は、若年時からの健康への取り組みと社会活動への参加が、高齢者の健康や生きがいの向上に重要であることを示しています。また、デジタルデバイドを解消し、情報機器を利用したコミュニケーションを推進することが、現代の高齢者社会における健康寿命の延伸と生きがいの確保に重要となるという示唆も得られます。