内閣府が2023年6月20日に公表した「高齢社会白書」によりますと、高齢者の就業率が上昇し、健康寿命が延伸していることが明らかにされています。

白書によると、60~64歳、65~69歳、70~74歳、75歳以上の各年齢層において、過去10年間で就業率が上昇しています。特に60~64歳層では、就業率が15.3ポイント上昇し、その他の年齢層でもそれぞれ13.7ポイント、10.5ポイント、2.6ポイントの上昇が確認されています。高齢者の労働市場への参加が進んでいることが分かります。

また、健康寿命とは、日常生活に制限のない期間を指し、この健康寿命が伸びていることが白書から読み取れます。具体的には、令和元年時点で男性の健康寿命は72.68年、女性は75.38年となっており、平成22年と比較すると、男性は2.26年、女性は1.76年伸びています。さらに、この健康寿命の伸びは、平均寿命の伸びを上回っています。

これらのデータからは、日本の高齢者がより健康で活動的になり、社会全体に貢献しているというポジティブな兆候を読み取ることができます。また、高齢者が社会の中で果たす役割が、そのまま高齢者の生活動向を反映していると言えるでしょう。

それぞれの高齢者が個々の能力を最大限に発揮し、社会に積極的に関われる社会の実現が必要であるという認識が広がっています。