衆議院本会議で、後期高齢者医療制度の保険料引き上げや、かかりつけ医の機能強化を柱とした健康保険法の改正案が4月13日に自民党、公明党などの賛成多数で可決されました。今国会での成立が見込まれています。

改正案では、少子高齢化や人口減少を考慮し、負担能力のある後期高齢者の保険料を見直し、年金収入153万円を超える75歳以上の保険料を収入に応じて引き上げることが明記されています。年間上限額も66万円から80万円への引き上げが予定されており、全体の約4割の高齢者の保険料が増える見通しです。さらに、出産育児一時金の一部を後期高齢者医療制度から負担する仕組みも導入されます。

この保険料引き上げにより、デメリットが生じることも懸念されています。例えば、一部の高齢者による医療費の自己負担が増加し、経済的負担が重くなることが考えられます。また、保険料の増加に伴い、現役世代への負担が軽減される一方で、大企業の会社員が加入する健康保険組合の負担が増えることが予想されています。

かかりつけ医の機能や役割については、法定化が進められ、患者が選びやすいよう都道府県が各医療機関から報告を受け、役割を公表することになります。

改正案は、高齢者の医療費負担の適正化や現役世代の負担軽減を目指していますが、保険料引き上げによるデメリットへの対策も求められるでしょう。