令和5年5月16日、全国老人保健施設協会を含む各介護関係団体は、賃金上昇に対応するための政府の積極的な対応を求め、岸田文雄総理大臣に要望書を提出しました。
要望書は、物価・賃金高騰対策に関するもので、高齢者介護事業所の経営が厳しい状況であると訴えています。昨今の物価高騰と、それに伴う労働者の賃金上昇に対応するためには、介護報酬の改定が必要であると述べられています。
同席した田村憲久衆議院議員は、高齢者人口の増加に伴い予算が抑制される従来の制度では賃金上昇に対応できないと指摘。そのため、骨太の方針にこの問題を明記する重要性を強調しました。
要望書によれば、介護事業所の賃金は全産業平均と比較して依然として低い水準にあります。また、賃金上昇率も全産業の平均を大きく下回り、人材流出が進行しているという懸念が示されています。
この状況に対応するため、介護事業所に一般企業と同程度以上の賃金上昇を可能にする緊急措置の実施、および令和6年度の介護報酬改定に向けた対応が求められています。
高齢化が進む日本において、介護業界の人材確保は重要な課題です。政府が介護報酬の改定などで業界の労働条件改善にどう対応するかが注目されます。