10日、政府は技能実習制度の廃止と新たな人材確保・育成制度への移行を検討していることが明らかとなりました。技能実習制度は、外国人が日本で技術を学び、母国に持ち帰ることを目的としていましたが、実際には人手不足の業種で働く労働力の確保手段となっていました。

新たな制度では、労働力の確保と育成が主な目的とされ、介護分野にも影響が出ると見られます。また、これまで原則できなかった転籍制度が緩和され、一定程度認められることになる見込みです。

技能実習制度は、1993年に始まりましたが、労働環境が厳しい業種での人手不足を補う手段として機能してきました。しかし、賃金未払いや暴行などの人権侵害が問題となっており、制度の目的と現実が乖離しているとの指摘が多く寄せられていました。

新制度では、技能実習生が特定技能制度に円滑に移行できるようにし、中長期的に活躍する人材の確保が期待されています。特に介護分野では、高齢化が進む日本での需要が高まっており、外国人労働者の受け入れが重要な課題となっています。

今後、政府は秋ごろを目処に最終報告書を提出し、新たな制度の詳細が決定される予定です。介護分野においても、新制度の導入により、人材確保や人権の保護が期待されています。