介護従事者の昨年12月時点の平均給与は、前年同月より1万7490円増の月額31万8230円でした。これは、厚生労働省が2023年6月16日に公表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によるものです。昨年2月から導入された月額9千円相当の介護職員1人あたりの処遇改善策が一定の成果を上げているものの、全産業平均と比べると依然として4万円以上も低い水準にとどまっています。

調査結果は「第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(web会議)資料」に基づきます。新設された「介護職員等ベースアップ等支援加算」を導入している介護施設・事業所では、介護職員の基本給が前年比で1万60円増の24万790円となっています。一方、介護職員処遇改善支援補助金を受け取っている施設・事業所では、同様の介護職員の基本給は前年比で9,210円増の23万9,800円でした。

なお、公表された平均給与額は、基本給(月額)、手当、ボーナス等を合算した総額の12分の1を示しており、税金や保険料を除いた金額となっています。手取り額とは異なるため、解釈には注意が必要です。

介護従事者の給与改善は、社会全体の問題となっています。これからも厚生労働省による具体的な改善策とその効果に注目が集まることでしょう。