高齢化率の進展、社会保障費の増大、介護人材不足といった社会課題を解決するため、ロボット介護機器の開発が求められています。経済産業省の資料によると、今後はデジタル技術の進展や介護現場のニーズを踏まえ、重点分野において開発・普及を促進し、産業競争力を強化しつつ、世界市場の獲得を目指すといいます。

開発支援として、高齢者の自立支援と介護者の負担軽減に資する開発を強化します。具体的には、ICT化等の技術動向や介護現場のニーズを踏まえた重点分野の見直しを行います。また、海外展開支援では、国ごとの介護ニーズ・介護制度・文化を的確に捉えることや、医療機器認証への対応などのノウハウ不足がハードルになっているため、実効性の検証や現地ニーズに合わせた改良開発を支援し、海外展開を促進します。

しかし、これらの取り組みだけでは、介護人材不足という深刻な問題が解決されるとは限りません。ロボット介護機器の開発や普及が急務であり、政府や産業界は今後も協力して、危機感を持って取り組むべきです。また、高齢者や介護職員の負担軽減だけでなく、介護される側の自立や社会参画の促進が求められています。

国内外の介護ニーズに応えるロボット介護機器の創出は、産業の成長と国内の社会課題の解消に繋がりますが、今後はより具体的で実効性のある施策が求められています。日本は世界に先駆けて高齢化が進む国として、成功モデルを構築しなければならない立場にあります。そのため、ロボット介護機器の開発や普及に関する取り組みをさらに加速し、他国に先んじて問題解決の道筋を示す必要があります。