社会福祉振興・試験センターは24日、第35回介護福祉士国家試験の結果を発表。受験者7万9151人のうち6万6711人が合格し、合格率は過去最高の84.3%を記録した。しかし、今後の介護ニーズの多様化や複雑化に対応するため、さらなる人材確保が求められている。
今回の合格者は男性29.9%、女性70.1%で、現場を支える介護職員やホームヘルパーが全体の8割超を占めている。年齢別では30歳以下が最多の32.9%、次いで41〜50歳が25.3%、31〜40歳が19.4%、51〜60歳が18.3%、61歳以上が4.2%となっている。
厚生労働省の資料によると、今後の介護ニーズは高齢者数の増加、認知症高齢者の増加、高齢者単独世帯や高齢者のみ世帯の増加などで、多様化・複雑化が見込まれる。第8期介護保険事業計画では、2025年度末までに年間約5.3万人の介護人材の確保が必要とされている。
介護分野の有効求人倍率は依然高水準で、今後の人口動態を考慮すると、介護人材の確保が一層厳しくなることが予想される。そこで、介護福祉士修学資金等貸付事業が実施されており、介護福祉士養成施設に通う学生への修学資金の貸付が行われている。
また、過疎地域での介護従事者に対しては、通常5年間の従事で返還免除となる貸付金が、3年間で返還免除となる特例措置が設けられている。これを2023年度から離島地域等にも拡充する予定で、更なる人材確保が期待されます。