厚生労働省は、介護施設において利用者が安心して過ごせる環境を作るため、介護サービス相談員制度の推進を図っています。介護サービス相談員は、施設内の問題を第三者の視点で評価し、利用者の不安解消やサービス改善に繋げます。
現状では、介護サービス相談員制度は、実施市町村が3割程度に留まっており、研修費用の負担や活動への理解が進んでいないことが課題となっています。また、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でのサービス提供が複雑化していることも問題視されています。
この課題を解決するため、厚生労働省は令和2年度に介護サービス相談員研修の体系見直しや、地域医療介護総合確保基金による研修費用への助成を行い、制度の充実を図っています。さらに、都道府県に対し、未実施市町村への周知や助成対象化、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅での介護サービス相談員の受入促進に向けた働きかけが求められています。
事業実施市町村に対しては、介護サービス相談員の確保や資質向上のための研修参加を積極的に進めるよう要請されています。厚生労働省は、介護サービス相談員制度の推進を通じて、利用者が安心して過ごせる環境を整えることを目指しています。