厚生労働省は、医療や介護保険の保険料算定において金融所得をどう反映させるかについて、新たな検討を始めている。現行の制度では、国民健康保険や後期高齢者医療制度、介護保険料の算定において、金融所得が一部のケースで反映されていない問題がある。これには、確定申告を行った場合のみ金融所得が保険料に反映されるという仕組みが関係しており、源泉徴収のみで終わるケースでは反映されないため、保険料に不公平が生じている。
この問題に対処するため、自民党は「医療・介護保険における金融所得の勘案に関するプロジェクトチーム(PT)」を設置し、加藤勝信前厚生労働相を座長に、保険料の公平な算定を目指す議論を進めている。特に、金融機関が国税庁に提出する情報を利用して、源泉徴収情報からも金融所得を把握し、保険料に反映させる方法が検討されている。
これには技術的な課題や、自治体の業務負担の増加が予想されるが、厚生労働省は2028年度までには問題の解決策を見つけることを目指している。また、被用者保険に関しては、保険料を給与所得に基づき算定しており、労使折半で負担されているため、金融資産の反映に関しては慎重な議論が求められている。
これらの検討は、保険料の公平性を高めることを目的としており、今後、国民全体の負担感の公平化が期待される。政府・与党内では、さまざまな意見が交わされ、保険料の差の是正に向けた議論が深まっている。