奈良市内の介護施設「かさね奈良六条」において、90代の女性入居者に対する暴行事件が発覚し、職員の西山弘樹容疑者(33歳)が傷害の疑いで逮捕されました。この事件は、介護施設における高齢者への待遇について、深い憂慮を引き起こしています。

警察の発表によると、西山容疑者は2023年11月19日の夜から20日未明にかけて、同施設に入居する90代の女性に暴行を加え、額や鼻などにけがをさせた疑いが持たれています。女性は、その日の早朝に公園のベンチで心肺停止状態で発見され、その後病院で死亡が確認されました。警察の捜査により、防犯カメラの映像から、西山容疑者が被害者の部屋に入った後、女性の「痛い、痛い」という叫び声が記録されていたことが明らかになりました。

西山容疑者は、「夜中に何度もナースコールで呼び出され、腹が立ったため、思いきり鼻をつねった」と供述していますが、その他のけがについては一部否認しているということです。警察には11月22日、匿名の通報があり、「職員が入居者に暴力を振るっている可能性がある」との情報が寄せられました。その後の調査で、別の入居者にも不審なけががあったことが判明し、西山容疑者が他の入居者にも暴行を加えた可能性があるとみて捜査が進められています。

「かさね奈良六条」は、奈良市の入居型老人介護施設で、デイサービス、ショートステイ、ホームヘルパー派遣などのサービスを提供しています。施設は、小規模多機能型居宅介護を行い、全29室の利用者を受け入れています。この施設を運営する会社は、事件について公式に謝罪し、再発防止策の徹底と信頼回復に努めることを表明しています。

この事件は、高齢者介護の現場で起きた深刻な問題を示しています。介護職員による暴力という、許されない行為が明るみに出たことで、介護施設の管理体制や職員の精神的負担に関する問題が再び注目されています。また、高齢者への適切なケアと保護の必要性が、改めて社会に問いかけられています。