全国各地で老人ホームの入居権を装った詐欺が多発しているとの報道が相次いでいます。詐欺師たちは老人ホームや不動産会社の従業員を名乗り、あたかも入居権が確保できたかのような見せかけで、高額の現金をだまし取る手口が確認されています。ここではいくつかの報道内容を基に、市民への警戒喚起と対策を解説いたします。

先日福岡県筑後市では、一件の住宅に老人ホーム関係者を装った不審な電話がかかってきたという事例が報告されました。男は新しい老人ホームの特別入居枠の権利について語り、将来的に金銭の請求があるかもしれないと持ちかけました。福岡県警筑後署は、このような不審な通話に対し市民への警戒を呼びかけています。

一方、奈良県では70歳代の女性が高額の詐欺被害に遭いました。彼女は何度ものうそ電話により、老人ホーム入居権関連のトラブル解決に莫大な資金が必要と誤信し、現金約9317万円をだまし取られました。この手口は今年、奈良県内で確認された詐欺事件の中で最大の被害額と報じられています。

さらには、70代の女性が不動産会社「トヨタホームズ」を名乗る男からの電話により、新しい老人ホームの入居権を譲渡するうその提案を受け、結果として約9300万円の被害に遭っています。この事件でも、名義貸しは犯罪だとの主張を受け、女性は指定された住所へ現金210万円を送付しました。

また、青森県でも80代の女性が未知の男からの名義貸しの提案を受け、指定の口座へ現金55万円を振り込み、被害を受けました。

これらの事件が示すように、特殊詐欺は高齢者をターゲットにしている場合が多く、老人ホームの入居権をテーマにした新しい手口が用いられています。警察は市民に対し、詐欺被害を防ぐために注意喚起を行っています。

注意喚起と対策

老人ホームの入居権を装った詐欺から身を守るためのいくつかの対策を紹介いたします。

  1. 確認は怠らない: もし老人ホームや不動産会社からの通話を受けた際、その内容に疑念を抱いたら、必ずその企業へ直接問い合わせ、確認しましょう。
  2. 個人情報の保護: 個人情報や金融情報は絶対に電話口で共有しないよう心掛けましょう。
  3. 警察への報告: 不審な電話を受けた際は速やかに警察へ報告しましょう。

市民の安全と資産保護のため、こうした詐欺から身を守る知識と対策が不可欠です。再発防止のため、関連機関と協力し、警戒を怠らないよう呼びかけています。