厚生労働省は先月、介護保険制度について、高所得者の保険料引き上げを含む見直し案の結論を年末まで先送りする方針を固めました。報道各社によると、物価高騰による高齢者の生活への影響などを踏まえた上での決定とのことです。原則として、介護保険制度は全ての市民が公平に介護サービスを受けられるよう設計された制度で、今回の見直し議論はその公平性と財政の持続性を両立させるためのものです。

急速な高齢化で介護需要の増大が見込まれる中、厚労省は2024年度介護保険制度改正に向けて、社会保障審議会の部会で給付と負担の見直し案を議論してきました。その焦点となっているのは、65歳以上の高所得者の介護保険料引き上げと、介護サービス利用料の自己負担(原則1割)が2割となる人の対象拡大です。

しかし、物価の高騰や、負担増加による高齢者の生活への影響を検討する必要性から、結論の取りまとめを再延期することが決定されました。また、介護にかかる費用は年々増加しており、65歳以上の高齢者の介護保険料や介護サービス受けた際の自己負担の引き上げなどについて、厚生労働省は慎重に検討を進めています。

今秋からは、介護事業者に支払われる介護報酬の改定に向けた議論が本格的に始まり、年末をめどにとりまとめが行われる予定です。これらの議論と合わせて、厚生労働省は経済的な負担についての見直しの議論を進めていくとのことです。

介護保険制度とは、65歳以上の高齢者及び40歳以上の特定疾患者が、一部自己負担を負うことで介護サービスを受けられる制度です。全国民が保険料を納め、必要な時には公平にサービスを受けることができるように設計されています。しかし、高齢化社会の進展とともに介護需要が増大し、財政的な持続性が課題となってきています。そのため、今回のような見直し議論が行われています。

さらに、介護保険制度は3年に一度見直され、経済状況や社会情勢に応じた調整が行われます。そのため、今後の議論の結果、どのような改善策が打ち出されるかに注目が集まっています。

出典:時事通信社、NHK